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2017.07.02FIGHTING GIG DNA

7.4 DNA.34 後楽園ホール -Starting Over-
恒例「DDT中継解説者」鈴木健氏による
見所解説〜7.4後楽園大会後半戦〜
第5試合〜第7試合

7.4 DNA.34 後楽園ホール 〜Starting Over〜
◆日時 2017年7月4日(火) 開場18:15 開始19:00
◆会場 東京・後楽園ホール

5、リアル狂犬対決!
金本浩二vs渡瀬瑞基

感情を晒すのは“怒”だけにあらず
LEONA戦を経た渡瀬の理想追及は続く

2月の新体制発足当初、渡瀬は「試合の中で自分の感情を晒すこと」をテーマとしていた。LEONAとの一連の闘いによって、それはある程度形になったと言っていいだろう。

これまでになかったDNA外の同世代との邂逅は、試合をそっちのけにして場外で殴り合うまでにエキサイト。その血走った眼差しは、LiLiCoとのソープオペラによってあまりに伝わりすぎた印象から脱却させるに値するギラつきを放っていた。

5・10後楽園における一騎打ちをもって、2人の思いは昇華。敗れたものの渡瀬はLEONAと握手を交わし、いつしか訪れるであろう再会の日を約束した。

今や誰も渡瀬のことを醒めた若者とは見ていないはず。そんなタイミングで組まれた金本との一戦は、今後もプロレスを続けていく上で自身が理想とするスタイルを継続していけるかの実戦問題となる。

相手は「自分がプロレスラーになりたいと思うきっかけを与えてくれた選手の一人」であり、LEONAへ向けられた目線とはおのずと違ってくる。五十代を迎えても金本は若き頃と同じくイケイケのままで、向こうっ気の強い若者が大好きだ。

逆に言えば、肌を合わせて感じるものや手応えが得られなかった場合は容赦しない。狂犬対決と銘打たれているとあれば、金本は渡瀬に対し前者のイメージを持ってくるだろう。

ただ、金本が試合の中でどう渡瀬をとらえ、どんな“出方”をしようとも生身の自分を見せればいいのだと思う。感情を晒すとは、何も怒りや激しいものだけではない。残りの喜・哀・楽も抱いた本人にとっての真実であり、見る者の気持ちを揺さぶる。

金本に歯が立たなかったら哀しみを隠すことなく悔しさを噛み締め、勝ったら思い切り喜びを表す。何よりも、少年時代にブラウン管の中で躍動していた相手と時空を超えて肌を合わせることに、楽しさを感じていい。

自分に影響を与えた人間とリング上で会話できるのは、プレイヤーの道を選んだ者の特権。こればかりは、どんなにプロレスが好きであっても我々がありつけない特別なシチュエーションなのだ。


6、PREMIUM GIG その思いを込めて~樋口和貞卒業記念試合~
樋口和貞&中津良太vs岩崎孝樹&吉村直巳

去りゆく者と残りし者
それぞれのDNAが交錯する

2014年11月28日の旗揚げ戦から現在までの2年7ヵ月間はDNA=樋口和貞と定義できるほど、その存在が突出していたのは言うまでもないだろう。この試みがそれまでの固定観念をブチ破ったのは、デビュー時から新人離れした強さをまとった人間がそこへいたことが大きかった。

ただ、誰も口にはしてこなかったがDNAを見続けてきた中で、どこかに“卒業”の二文字への意識は在ったのかもしれない。それは下部組織やファームというレッテルによるものではなく、より大きく高いステージを目指す立場になった時の選択肢という認識である。

樋口はDNAに思い入れを持ちながら、何度となくKO-D無差別級王座に挑戦。今やDDTにおいては主力の一角を担っている。本人からは、自分たちの家についての深い思いを何度となく聞いてきた。

それはリング上からもファンに伝わっていたはず。だから5・10後楽園で高木三四郎からDNA卒業を言い渡された時、誰もが樋口の返答が聞かれる間、固唾を飲んでいた。

とはいえ、これが同じ選手となると感情の持ち方も違ってくる。案のじょう、会見の席で岩崎が「やり方が汚い」と糾弾。これが言葉通りのものなのか、それとも別の思いをレスラー言語でデフォルメしたのかは試合の中で明かされるだろう。

ひとつ確かなのは、樋口の卒業によってDNAの風景が変わること。空いた席に誰が座るか、あるいは不在を感じさせぬ新たな可能性を提示するか、ポジティヴな見方をするならそういった点が期待される。

一方では、発足から5ヵ月で新体制が一区切りを迎えるといういささか唐突な展開の中で、今後に不安を抱くファンもいるはず。現時点で発表されているDNAの大会日程は7・4後楽園と8・5ビアガーデンプロレスのみ。この2大会でその先にある希望を感じさせる必要がある。

残る側である岩崎が今回の一区切りや樋口の卒業に対し、現実的な物言いをしたのは当然のこと。その裏には、新体制のエースになると宣言しながら成就できなかった呵責の念もこめられているのだと思う。

中津がBASARAを求めたように、DNAとは選手それぞれが自分なりの距離感や位置づけを持った上で関わるのが宿命なのかもしれない。その意味でも独特な団体である。

いずれにせよDNAの樋口はこの試合が最後。相手の吉村は5月の後楽園で島谷から“いつでもどこでも挑戦権”を強奪しながらいまだ行使しておらず、KO-D王者の竹下幸之介に対し恨み節(わんぱく相撲3連敗、初恋の相手に失恋、友人関係及び家族崩壊、行きつけの食堂の閉店…それらすべてが竹下のせいらしい)を唱え続けるストーカー行為でじわじわと追い込んでいる真っ只中。つまり、この一戦で樋口か中津が吉村に勝てばDDT8・20両国メインの道が開けてくるわけだが、そこに関心が集約されるようでは岩崎としても立場がない。

最後の試合でリングを降りるまでが樋口のDNAなら、これから家を守っていく使命感こそが岩崎のDNA。そのぶつかり合いの中で吉村は暴れまくり、中津は古巣が変わりゆく瞬間を体感し、どんな思いを持つか…そんなセミファイナルとなりそうだ。


7、MAIN GIG DNAの新しい扉をこじ開けろ!
勝俣瞬馬vs上野勇希

新体制DNAを体現してきた2人
関わってきた者すべての情熱が託される

5・10後楽園で新体制の一区切りが明らかになったあと、真っ先に発表されたのがこの一騎打ちだった。メインとして、じつに納得がいく。

この5ヵ月間でもっともイメージを変え、誰よりも強い意志で主張し続けてきた勝俣と、高校時代の同期・竹下との初一騎打ちで将来性を感じさせた上野。8・5新宿FACEよりDNAは第3章に突入するわけだが、それを先取りするかのような現在形のシングルマッチと言えるだろう。

樋口とのメイン出場を懸けた試合に敗れ、5月の後楽園初進出はその夢を形にできなかった勝俣だが、プロレスの神様は見捨てていなかった。昨秋のDDT総選挙で1位に選ばれたあかつきには優勝賞金100万円でDNA後楽園大会を開催し、そのメインに立つと公約した男である。

現体制として、ギリギリのところで勝俣は後楽園のメインを任されたのだ。誰かに勝ったという実績の大きさではなく、この5ヵ月間でコツコツと積み重ねてきたものが実を結んだ。

一方の上野は完全に先行投資。一区切りというタイミングがなければ、後楽園のメインでシングルをやるというシチュエーションはまだ先のことだったはず。DNAとしての“これから”を強く意識した表れであることは明らかだ。

直前のケガにより勝俣が欠場したDNA-GPにおいて、上野はデビュー。新体制になる直前の1・7春日部大会でタッグは組んでいるものの(鈴木鼓太郎&円華と対戦)、対戦は初となる。

それもあって、区切りの一戦の相手が上野ということに勝俣はピンと来ていない様子。9ヵ月のキャリアで後楽園のメインを経験するチャンスをつかんだ後輩とは受け取り方が対照的だ。

勝って当然と思われる試合となると、勝俣の脳裏にはDNA旗揚げ戦の悪夢(メイン後のボーナスマッチで、デビュー戦を終えた直後の後輩・樋口にピンフォール負け)がチラつきそう。これまでは樋口やジュニアの先人・鼓太郎といった自分よりも強大な相手を攻略するべく、変わらぬ姿勢でいけた。

それが今回、まったく違った対象を相手にどんな闘い方を見せるのか。この時点でDNAの新風景が広がることになるわけだが、組み合わせによる新鮮味以上の何かが上野には求められるだろう。

演出や舞台セットはリング上の闘いをより際立たせるのが役割であり、それらが新体制DNAとイコールで結ばれていたわけではなかったはず。この5ヵ月間、関わってきた者たちの情熱も2人の若き男に託されたのである。

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