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2017.07.01FIGHTING GIG DNA

7.4 DNA.34 後楽園ホール -Starting Over-
恒例「DDT中継解説者」鈴木健氏による
見所解説〜7.4後楽園大会前半戦〜
第1試合〜第4試合

◆日時 2017年7月4日(火) 開場18:15 開始19:00
◆会場 東京・後楽園ホール

1、グローバルフューチャーズ
マイク・ベイリー&コーディ・ホールvsディエゴ&レッカ

DNAにスコット・ホールのDNA登場
ALL OUT入りしたディエゴとレッカの関係は?

カナダ、アメリカ、チリ、台湾の4ヵ国の出身者が集うオープニングマッチ。いきなり207cmの大男の登場である。その長身を生かし、コーディは現在、プロレスリングNOAHのマットを席巻。6月4日にはランディ・レインとの2メートルコンビで丸藤正道&マイバッハ谷口のGHCタッグ王座へ挑戦したばかりだ。

今回、パートナーを務めるベイリーとはちょっとした因縁がある。“スピードボール”がプロレスを見始めたのは7歳の頃。兄弟の中で自分が一番小さかったことから、それほど体の大きくないスーパースターがお気に入りとなった。中でもお気に入りとなったのがマット&ジェフのハーディボーイズと、Xパック(ショーン・ウォルトマン)だった。

そのXパックとクリック(Kliq=派閥の意)の関係にあったのがコーディの父、スコット・ホール。自分があこがれた人物の盟友の息子と日本で出逢うとは、ベイリーも想像していなかっただろう。

テコンドーをベースにした打撃とスピードで動き回るベイリーと、長い手脚で相手を寄せつけぬコーディとではまったくスタイルが違うだけに、面白いコンビとなりそう。一方のヤングドーナツは、ワンチューロがリングネームを「ディエゴ」に改めての出陣となる。

前回の5・10後楽園はチリに一時帰国していたため出場しなかったディエゴ。帰国後、DDTで竹下幸之介と彰人が結成した新ユニット・ALL OUTに合流したのを機に名前を変え、陽気なキャラクターから本格派の雰囲気へとイメージチェンジした。

ALL OUTとはトレーニング用語で「全部出し切る」を意味し、練習の虫であり向上心を持つディエゴを彰人がツィッターのDMを通じ勧誘。今後もDDTにおける試合数が増えていくのは間違いない。ベイリーには昨秋のDNA-GP公式戦で勝利をあげているだけに、今回も自信も持って臨むはず。

そうなると、DNAの正パートナーであるレッカの心中が気になるところ。新体制となった時、ようやく本格的なタッグチームとしてやっていけることをお互いに喜んでいたものの、今のところ実績は残せていない。

7月29日にはDDT台湾大会が控えており、レッカは両国の間で走り回る役割もある。時間に忙殺される中、ディエゴが注目されるようになったことを発奮材料とし試合の中で存在感を見せてほしい。

今後のDNAにおける2人の関係性へ影響を及ぼすと思われるタッグ戦。ヤングドーナツとしての形を残せるか!?


2、全日本大物食い選手権
越中詩郎&鈴木鼓太郎vs下村大樹&島谷常寛

島谷が食いついたのはやはり越中の尻
下村は自身のカラー確立に踏み出せ

“選手権”といっても当然ながらタイトルマッチではなく、下村&島谷のグランミリメーターズが雲泥の実績を誇る越中&鼓太郎の2人から金星をあげることがテーマとして据えられたカード。現在、19歳の下村とベテラン・越中の間には39歳もの年齢差がある。

だが、ヘタをするとイキのよさで若い2人を上回ってしまうのがサムライ・越中。日本のプロレスシーンにおける重要文化財ともいえるヒップアタックがひとたびサク裂させれば、それだけで場を持っていってしまう。

つまり、DNAのリングでありながらグランミリメーターズがアウェイとなるケースが予想される。加えてスキのない試合運びに定評がある鼓太郎が目の前にいるとあれば、いかに試合タイトルに“大物食い”と銘打たれようともそう簡単に成就できるものでないのは、誰の目にも明らかだ。

そんな中、島谷は会見で越中の尻に食いついた。いわく自分のヒップは二丁目界隈で評価されており、そこで張り合うのだという。

5月の後楽園でも対戦相手の吉村直巳に対し髪の色やサングラスをしているところを拾ったり「野郎Z」で野郎どもの徹底したモテなさ加減を蔑ましたりと、島谷は常に相手のわかりやすい部分を指摘してはそこへ活路を見いだそうとするタイプなのだろう。明言はしなかったものの、仮に鼓太郎へついて振られたら浅い情報を持ち出しガンダム云々という話へ持っていったと推測される(鼓太郎は業界きってのガンダムメイニアとして有名)。

というわけでヒップアタック対決は島谷に任せ、下村はそれ以外のところで今現在の自分を強敵2人へぶつけていくことになる。勝俣瞬馬が鼓太郎との対戦やタッグ結成の中でジュニアとしての闘いを意識したように、下村にも自分を変えるための明確なテーマがあった方がいい。

163cmというサイズだからできるプロレスを追求することは、自身のカラー確立へとつながる。やり方や評価はどうあれ、印象を残しているという点に関しては今のところ島谷の方が先をいっている。

これまでは同期として常に一緒に見られてきたが、新体制期を経て次なるステップを踏み出す今こそ各自の個性を打ち出してほしい。じつはそれこそが、タッグチームとしてグレードを上げる近道でもあるのだ。


3、目醒めろ、鈴木大~試練の七番勝負Final Battle とどめを刺す恐怖の4人組襲来!(7分)
鈴木秀樹&葛西純&NOSAWA論外&グルクンマスクvs鈴木大

ぞんざいな扱いという現状との闘い
それは逆境の先人・大家も通ってきた道

新体制のスタートともにはじまった鈴木大の七番勝負は、残り4つをまとめて消化するという過去に例を見ないぞんざいな扱いとなってしまった。かつて「マッスル」でキャンバス上を4つに区切って4試合を同時進行させるという試みこそあったが、今回のような“さっさと終わらせよう感”は微塵もなかった。

1対4(4人の方はタッチが必要)と数的には圧倒的不利ながら、鈴木大は7分の間にいずれか1人から勝利(リングアウトも可)をあげるか、あるいはフルタイムになれば引退を回避できる。対する4人の強い皆さんは全員が勝たなければならず、ルールとしては圧倒的に有利…というより優遇されているとなる。

これまでの3戦も引き分けに持ち込めば勝利と見なされるルールながら7分持たなかったが、今回は単純計算で4人組全員が勝つには一人あたり105秒で終わらせる必要がある。105秒といったら、カップラーメンができるよりも早い時間。鈴木大もそこに活路を見いだし、これまでにも増してフルタイムで逃げ切ることにすべてを懸ける姿勢を表明した。

ところが、これに異を唱えたのがガンバレ★プロレスのカリスマ号泣師・大家健。自身の豊富な逃亡経験(プロの失踪人)に基づき、それがいかによくないことかを少ないボキャブラリーによる理路整然さで説き伏せ、返す刀で一方的に応援団長を名乗ると「フレー! フレー! スーズーキー!」とエールを送り出した。

しかしこれは、鈴木秀樹がいるため間接的に相手チームも応援してしまったことに気づかなかったのは、大家にしてはうかつだった。鈴木秀樹だけではない、葛西は大家と違うベクトルのカリスマ。琉球ドラゴンプロレスのグルクンマスクは鈴木大が沖縄へ探偵にいったさい接点があるだけに、本職の探偵よりもその性格を把握されている。

NOSAWAにいたっては会見に姿を見せず代わりにブラック・タイガーⅦを出席させ、鈴木大に対し「キミ、このお仕事向いてないと思うから」とまるで救いのない言葉で片づけさせた。気がつけば鈴木大だけでなく応援する大家まで追い込まれた感が漂ってしまう状況だ。

それでも大家は、希望を捨てることなく鈴木大に炎の槍特訓を課した。かつて、自身も自分を変えるため、そして周囲の見方を変えるために空手家・小笠原和彦先生へ弟子入りし、炎の輪をくぐり抜ける特訓を敢行。

現在、代名詞的技として定着した「炎のスピアー」は、この試練の中から生み出されたもの。科学的整合性から逸脱したプリミティブな特訓をおこなえば、現状を打破する技を体得できる――プロレスあるあるである。

もはや理屈でどうなるというものではないところまで鈴木大は追い詰められている。逆境の先人である大家がついに腰をあげた事実をとっても、それは明らかだろう。

しかし、それを乗り越えて大家はカリスマとなった。引退回避か否かはルールによって決められるのではない。ツィッターのプロフィルに自ら「しくじりDNA」と表記し、面白いようにいじられる鈴木大からの脱却こそが、真の意味での現役続行への通行手形であるはずなのだ。


4、ベスト・オブ・ハイフライヤーズ
遠藤哲哉vsMAO

DNAで経験する“心の両国メイン”
MAOは遠藤を振り向かせられるか

本来ならばDDTとDNAを代表する若きハイフライヤー対決となるはずだった。ところが、お互い宮城県出身であることから白石市と大崎市のどちらが田舎かで双方譲らず、舌戦に発展。本来は自分の街の方がより都会かで自慢するところを、この2人はより田舎である点に価値を置くタイプだった。

遠藤の出身地・白石は22時半が電車の終電時間であるどころか、コンビニでクワガタが獲れるという絵に描いたようなローカルタウン。それに対しMAOの出身地・大崎は終電が24時台で、人口も面積も白石を上回ってしまい比較的栄えたアーバンシティーとなる。

そこを指摘され、精神的に追い込まれていったMAO。一方の遠藤は白石市の田舎っぷりを満天下に知らしめることができてニンマリ。このあたりは、どちらがより下町らしいかで足立区民と葛飾区民が争うのと同じメンタリティーなのかもしれない。

じじつ、筆者が葛飾の区立中学校へ通っていた70年代は何かと足立区の学校と張り合っていた。それはさておき、MAOとしては田舎らしさで遅れをとった分、プロレスでそれを埋め合わせた上で勝利をあげたいところだろう。

大石真翔&勝俣瞬馬とのNωAで保持していたKO-D6人タッグのベルトもDDT6・25後楽園で明け渡してしまったMAOとは対照的に、遠藤はKING OF DDTトーナメントで初優勝を果たし、DDT8・20両国国技館大会のメインイベントにKO-D無差別級王座挑戦者として立つことを決めている。佐々木大輔率いる反体制ユニット・DAMNATION入りしてからの活躍ぶりはめざましく、竹下幸之介と真逆のスタンスに位置することで存在感も増してきた。

アイドルグループと退廃的な集団…改めて並べるととても同郷とは思えぬ2人だが、MAOとすれば今の遠藤はオイシイ相手であり、自分が失うものもない。だからこそ舌戦で後れをとったことは忘れ、ここはシンプルに飛び技で遠藤を上回るインパクトを残すべく、ぶつかるべきだ。

もちろんそれだけで切り崩せるような今の遠藤ではないが、DNAは勝敗と並んでいかに見る者へ自分を印象づけ、今後に関心を抱かせるかが団体の存在理由でもある。今回の後楽園は、MAOにとって心の両国メインと言っていい。

MAOの飛距離あふれるキャノンボール450°と遠藤のスカイツイスター・プレスの競演を見たいところだが、すんなりと遠藤がその土俵に乗ってくるとも思えない。そこはMAOが“その気”にさせる必要がある。それがどんなテなのか…ポイントは、空中殺法よりもむしろそちらだろう。

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